呼吸器検査(肺機能検査・胸部単純X線検査)

今回は「呼吸器検査」について知っていただきたいと思います。
人間ドックでは「肺機能検査」と「胸部単純X線検査」を行います。

「肺機能検査」は、空気の流れを測定するスパイロメーターで検査します。
大きく息をすって、勢いよく吐くことで、どれだけ空気をため込めるか(肺活量)や、貯めた空気を最初の1秒でどれだけ吐き出せるか(1秒量)を算定します。
肺の機能を調べることで、間質性肺炎、肺線維症などの肺が硬くなる病気の他、空気の通り道が狭くなる慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)、気管支喘息などをみつけることにつながります。


年齢、性別、身長から算出した予測肺活量に対するあなたの肺活量を%肺活量と呼びます。この値が80%未満の人は肺の膨らみが悪い(肺が硬い)ことを意味し、間質性肺炎や肺線維症が疑われます。
息を吸い込んでから一気にはき出すとき、最初の1秒間で何%をはき出せるかを1秒率といいます。この値が70%未満の人は、空気の出入り口である気道に何らかの異常があり、空気をはき出すのに時間がかかっていると考えられます。喫煙により引き起こされるCOPDなどが有名ですが、進行しないためには禁煙が必須になります。

「胸部単純X線検査」は、 肺や心臓、左右の肺の間にある縦隔などをX線で照射して平面撮影し、その濃淡をくらべることで病気を診断していくものです。肺は黒、心臓や肋骨などは白く映し出されますが、肺野に腫瘍や炎症など異常がある場合は白い影となって映し出されます。また心臓肥大や縦隔の病気なども見つけることができます。胸部単純X線で異常が認められた場合は、胸部CT検査などを行うことでよりくわしく診断をつけていきます。
健診の胸部単純X線は、症状がなくて気づかないものを見つけるためのものでもあります。むしろ長引く咳、痰が増えている、息が苦しいなどの症状がある場合、あなたは感染症かもしれません、そしてまわりの人にうつしてしまう可能性もあるかもしれませんので、健診より早く医療機関を受診することをお勧めします。


加えて・・・こんなオプションも!
肺ドック
肺ドックは日本人に多い肺がんを早期に見つけることを目的としています。
ヘリカルCTと喀痰細胞診を併用することで、小さかったり淡かったりして単純X線検査単独では見つけにくい微細な肺がんの早期発見を可能にするコースです。

50歳を目安に受診していただきたいと考えておりますが、喫煙されている方、過去に喫煙されていた方、受動喫煙の心配のある方、血縁者に肺がんの人がいらっしゃる方には特にお勧めと考えています。

肺ドックは以下の病院で実施しています。(※肺ドックは単独での受診が可能です)

県北医療センター高萩協同病院
土浦協同病院
茨城西南医療センター病院
なめがた地域医療センター

以下の病院では肺ドック単独では実施しておらず、人間ドックのオプションとして実施しています。

水戸協同病院
JAとりで総合医療センター