消化器検査(胃部レントゲン)

今回は「消化器検査の「胃部レントゲン」について知っていただきたいと思います。

バリウム懸濁液や発泡剤を飲んで、それをX線で透視することにより食道・胃・十二指腸(球部・下行脚)を検査していく検査です。
胃を空っぽにしておかないと、上手くうつりませんので、案内に従い検査前日・当日の食事は注意をしてください。普段服用している薬をいつ内服するのか、手術後の方が検査を受けてよいか、などについて、あらかじめ主治医に相談して指示や許可をもらってからお申込みください。

1回の検査におけるX線の被曝線量は3-4mSv(ミリシーベルト)です。医療従事者などの年間線量限度は50mSvとされているので、年1回の検査では人体への悪影響は考えないでよいとされています。しかし、妊娠中、または妊娠の可能性がある方は胎児への影響が心配されますので基本的には行いません。

バリウム懸濁液と発泡剤を飲み、動く台の上に乗って様々な角度から撮影を行っていきます。発泡剤を飲むことで胃が膨らみ、そこにバリウムがまんべんなく広がることで胃の状態がよく見えるようになります。検査自体は10分程度で終了しますが、狭い検査台の上で寝返りしていただきますので、安全性の観点からご高齢の方などは内視鏡検査を案内させていただくことがあります。


バリウムが粘膜面の凹凸を映し出すことで胃・十二指腸のポリープ、潰瘍、がん、ピロリ菌の感染などを発見することができます。

所見があった場合は必要に応じCT検査や内視鏡検査を追加し、精査をすすめていきます。
検査終了後はバリウムの排泄を促すため下剤を内服していただくことがあります。普段から便秘がちの方は下剤の量を調整させていただくことがありますのでお申し出ください。

ここがポイント!
食道・胃・十二指腸の検査として胃内視鏡検査と比較をされることが多いですが、胃部レントゲン検査における違いの一つに、胃全体の形がわかる点が挙げられます。胃下垂や胃の壁を這うように広がる癌、食道、胃の食物の通りの良さを見るには、胃部レントゲン検査が優れています。
胃内視鏡検査も胃部レントゲン検査も一概にどちらがいいとは言えませんが、いずれの検査を受けるにせよ、大事なのは結果を確認し、必要であれば精密検査・治療などを行うことです。自分の健診結果は、届いたらきちんと確認してください。